「――もう少し…後5分」


3回目のそのセリフ。

いい加減 起きないと、本当に遅刻するよ?

布団に気持ちよさそうに包るアナタを起すのは忍びないけれど

そのせいで会社の上司に怒られてしまうのならば、起こさなければ。


ねぇ、早く。

ゴハンは、もう出来てるよ。

焼き立てのトーストに、たっぷり苺ジャムを塗って。

半熟の目玉焼きには、塩を。

サラダには、昨日買っておいた艶やかなプチトマト。

全部アナタの好きなものを用意したのに。


はぁ。

いくら揺すっても起きないアナタに溜息。

どうすれば起きてくれるの?

オレもう、学校行っちゃうからな。


「―あぁ…もうそんな時間…?」


そう言って起き上がるアナタに、おはようを言ったら

にっこり笑って返してくれた。


ちゃんとゴハン食べてね。


あぁ、このままじゃあ オレの方が遅刻だ。

まぁ、いいか。

元より真面目に学校なんて行ってない。

アナタが行きなさいと言うから、行ってるだけ。


行って来ます。


振り返れば、眠そうに欠伸をしながら手を振るアナタが見えた。




070929(アナタ中心生活)



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