あぁ、これを本当に綺麗だと言うんだ。


静かな水面に 月明かりが反射してキラキラと。


眠る君を横目に、水に足を浸ける。


いつもと同じ湖。


それなのに、今日は こんなにも特別で。


あぁ、本当に綺麗だと思ったんだ。


今なら 水面に映る月も掴めるだろう。



今日で良かった。



水の底は暗闇で 浸した足は闇に染まり消えて行った。


そう、このまま。


君と一緒に この世界から消えることが出来るなら。


消える体


抱えた君をもう一度きつく抱き締めて。




天上の月と空気から 永遠に別れを告げるまで


後、3秒。



(070815 さようなら、もう二度と。)



Op27−No.2: ベートーベン ピアノソナタ 「月光」
           ベートーベンの恋人、ジュリエッタに捧げられた曲。
           ジュリエッタは、「不滅の恋人」とされている。
           因みに、「月光」という題名は通称。